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お役立ち情報コロナに負けない飲食店は、ここが違う

2021年10月29日

コロナに負けない飲食店は、ここが違う

コロナに負けない飲食店は、ここが違う

今回は、私がご支援をさせて頂いている事業者様についてお話ししたいと思います。

その事業者様は、席数20席ほどのダイニングバーを政令指定都市の中心部で2店経営されています。
コロナ以前は仕事帰りのビジネスマンや店舗周辺のホテルに宿泊されている出張客、インバウンド客で連日連夜の満席状態。
客単価が高く、回転率も高かったので、2015年の1号店オープン以来、事業は順調すぎるほどに成長していました。

そんな中、コロナの影響が直撃しました。

テレワークや外出自粛により、仕事帰りや出張の方がほぼ消えました。
そして、インバウンド客については0になりました。

つまり、店舗周辺にいた人が、蜘蛛の子を散らしたように消えてしまいました。

社長の方針により、従業員は正社員のみで15名。
給料が低いと言われる飲食業界にありながら、「一般企業に勤めるサラリーマンに負けない位、高い給料がもらえる会社にしたい」という社長の想いで、人件費比率が通常の飲食店と比べてかなり高めです。

また、両店舗共にアルコール提供が主体であるため、この1年半でまともに営業が出来た日はほとんどありません。

特に2021年は、緊急事態宣言やまん延等防止重点措置、時短営業の要請が年初から現在まで絶え間なく続いており、通常営業出来た日は1日もない状態です。

「万事休す」と考える人もいるでしょう。

むしろ逆です。

「誰1人として、コロナの犠牲にしない」「今こそ、社員と会社を強くするチャンス」という、社長の強い信念があり、最悪の状況にあっても、従業員の解雇、離職は0。
社員の目は誰一人として死んでいません。
むしろ、一丸となって新たな事業機会を探し、コロナ禍での事業拡大を伺っています。

まず行ったのは、当面の運転資金の確保でした。
昨年春にコロナの影響が出始めた際、すぐに動きました。
金融機関から大型のコロナ融資を頂いたのはもちろん、初挑戦のクラウドファンディングによる資金調達です。

結果、2週間で800万円ほどの成果を上げることが出来ました。

しかし、クラウドファンディングの本当の成果は、お金ではなく他にありました。

それは、

  • 新しいことに挑戦する際の社員の心理的ハードルを下げた
  • 自分たちを本気で応援してくれているお客様の存在を改めて認識できた

の2つです。

この2つの成果をコロナ直後に得られたことが、社員の自主性を引き出す大きな原動力になりました。

 

次に、営業自粛、外出自粛による売上減を何とかカバーしようと、昨年夏に社員が中心となって新たな事業に着手します。

具体的には、地元の高付加価値食材を用いたお取り寄せ商品、ギフト商品を開発し、ECサイトを自社で立ち上げた上で通販事業に乗り出します。

サイトオープン時にはプレスリリースを出し、広告以外による認知拡大を図りました。
しかし、そう簡単に成功するほどEC事業は甘くありません。

この1年、SNSでの地道な告知等の効果もあり、徐々にリピーターのお客様を増やしてきましたが、まだまだ経営に貢献するほどの事業には遠い状況でした。

しかし、1年が経ち、転機が訪れます。

ゴールデンタイムに全国ネットで放送されるバラエティ番組で、その商品が紹介されることになったのです。

きっかけは、1年前の事業立ち上げ当初に遡ります。

 

SNS等での口コミによる認知拡大を狙い、そのメニューを専門テーマにブログを書かれているブロガーさんに商品サンプルをお送りしていました。

アルファブロガー(影響力のあるブロガー)を紹介する有償サービスを利用したわけではなく、専門ブログをweb検索で探し、そのブロガーさんに対して自分たちでアプローチを行った上で商品サンプルを送らせて頂いていたのです。

ありがたいことに、当時、SNSやブログに取り上げていただけました。しかし、それほど大きな反響にはつながらなかったのが正直なところです。

しかし、1年近くして、ブロガーのおひとりが有名雑誌の特集で取材を受けられることになり、商品を紹介してくれることになったのです。

そして、その雑誌の記事が、テレビ番組の制作者の目に留まり、今回の番組での紹介につながったのです。

さすが、ゴールデンタイムに全国ネットで放送される番組の力は大きいです。
放送日以降、ECサイトの1日の売上が放送前の50倍以上になり、想定を上回る反響に生産が追い付かない状況になったのです。

これが以前にもコラムで書かせて頂いたことのある「広報・PR」の力です。
広告で紹介するのと、第3者に番組や記事で好意的に紹介いただくのでは、その効果は大きく異なります。

しかも有料の広告とは異なり、番組での紹介にかかった費用は食材費や郵送費のみ。
全国ネットのゴールデンタイムに30秒のCMを1本流す費用は数千万円になることも珍しくありませんが、ゴールデンタイムに2分も番組で紹介いただいて数千円です。

中小零細企業が積極的に行うべきは、「広告」ではなく、「広報・PR」だということを分かりやすいほどの成果で証明した出来事でした。

もう少し言うと、広告というのは、広告を止めた時点で効果が止まってしまいます。しかし、第3者の紹介は口コミで広がり続け、効果が長く続く傾向にあります。
みなさんの実体験されたことがあるのではないでしょうか。

 

そして、さらに社長は次の新しい取り組みに挑戦すべく、コラムで何度か取り上げている「事業再構築補助金」の活用を決断します。

この申請サポートも引き受けさせていただきましたが、結果は無事に採択。

数千万円規模の補助金が採択されたことで、現在、新規事業の立ち上げに向けて、忙しく飛び回られています。

この事業内容ついては、今はまだ明かすことが出来ませんので、また事業が立ち上がったタイミングにでもご紹介させて頂こうと思います。

この記事の筆者

コンサルタント分才 敦史
大手広告会社にて、業界を代表する企業のマーケティング戦略、ブランド戦略推進に17年間従事し、中小企業診断士の資格取得をきっかけに新経営サービスに入社。 現在は、「地域ナンバー1のお店づくり」「ロイヤル顧客づくり」「選びたくなる理由づくり」をテーマに、飲食業のマーケティング支援、SNSマーケティング支援に取り組んでいる。 中小企業診断士/ブランド・マネージャー/ウェブ解析士

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