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お役立ち情報採択率6割超!事業再構築補助金を活用してV字回復を図ろう!②

2021年08月13日

採択率6割超!事業再構築補助金を活用してV字回復を図ろう!②

採択率6割超!事業再構築補助金を活用してV字回復を図ろう!②

今回も2021年度の目玉政策である「事業再構築補助金」について、飲食業にお薦めしたい第3次公募の申請枠をテーマにお話ししていきたいと思います。

飲食業にお勧めしたい申請枠

ずばり、下記の表でピンクの枠で囲まれた「緊急事態宣言特別枠」と「最低賃金枠」の2つです。

それぞれの枠についての説明はこの後お話ししていきますが、この2つをお薦めする理由は、何といっても「4分の3」(通常枠は3分の2)という補助率の高さと、「加点措置」による高い採択率が期待できるからです。

 

①緊急事態宣言特別枠

「緊急事態宣言特別枠は、第2回公募で終了」と第1回公募、第2回公募のタイミングで明示されていた申請枠になりますが、第3回公募も継続実施されることになりました。

2021年年初から繰り返される緊急事態宣言の発令や延長によって、飲食業や宿泊業をはじめとして、まともに商売をさせてもらえない事業者が多いのが現状です。その点に配慮しての継続と考えられます。

第1回公募の緊急事態宣言特別枠の採択率は、下表のとおり、中小企業で66%、中堅企業で64%と、6割を超える非常に高い採択率を見せました。
全体の採択率42%、通常枠34%(中小企業)・20%(中堅企業)という結果と比べてもらうと、いかに採択される可能性が高いかということをお判りいただけるかと思います。

第2回の採択結果は8月5日時点では発表されていませんが、本補助事業の趣旨からして、おそらく第1回公募に準じる結果になるでしょう。よって、第3回公募においても引き続き、狙い目の申請枠といえます。

緊急事態宣言特別枠は、全枠共通の売上高減少要件(詳細は公募要領をご確認ください。https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo001.pdf)に加え、2021年1月から8月のいずれかの月の売上高が対前年比で30%以上減少していることが要件になります。

注意が必要なのは、売上高の減少理由が『令和3年の緊急事態宣言の影響』によるものでなければならないという点です。緊急事態宣言に伴う「飲食店の時短営業」や「不要不急の外出・移動の自粛」等により影響を受けた事業者に対する措置となるため、要件に合致すれば、地域や業種は問われません。

また、緊急事態宣言特別枠は、仮に不採択になってしまっても、加点の上で通常枠で再審査してもらえるのも魅力です。

ちなみに、事業再構築補助金ホームページに掲載されている「事業再構築補助金の概要(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/summary.pdf)」には、「採択件数に限りがある」と明記されていますので、第3回公募で終了してしまうことも考えられます。

 

②最低賃金枠

第3回公募における大きな特徴は、最低賃金の引上げにものすごく配慮している点です。

今年度の最低賃金引上げについて、厚生労働省の中央最低賃金審議会は、全国一律で28円という改定目安を公表しました。
昭和53年度に目安制度が始まって以来の最高額になります。
この目安を参考にしつつ、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することになりますが、東京都では目安通り28円引上げて1,041円とする、としています。
昨年度の最低賃金据え置きから一転、今年は大幅な引上げとなりそうです。

厚生労働省発表資料はこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19902.html

その最低賃金引上げを踏まえ、「最低賃金枠」が第3回公募から追加されました。

この「最低賃金枠」は、間違いなく第3次公募の目玉施策です。

理由は、採択率が非常に高い「緊急事態宣言特別枠」よりも、さらに採択率を優遇すると明言されているからです。
補助上限額は、「緊急事態宣言特別枠」と同じく、従業員数の規模に応じて、500万円、1000万円、1,500万円の3パターンとなりますが、条件に合致し、補助額の規模が自社の事業投資規模に見合うものであれば、真っ先に検討する価値があるといえるでしょう。

では、「最低賃金枠」の申請要件を確認しておきます。

「業況が厳しく」

「売上減少要件」(詳細は公募要領をご確認ください。https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo001.pdf)は、全ての枠に共通で課されますが、
追加で
「2020年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年又は大前々年の同月比で30%以上減少している」
という条件が課されます。
要するに、前年や前々年と比べて、ひと月でも売上が30%以上減少している月があればOKということです。

「最低賃金近傍で雇用している従業員が一定割合以上」

つまりどういうことかというと、
「2020年10月から2021年6月の間で3ヶ月以上、全従業員の10%以上の従業員を最低賃金プラス30円以内で雇用している事業者が対象になりますよ」
ということです。

例えば、京都府の中小企業で、雇用する従業員が100人いるとしましょう。
京都府の2021年8月1日時点の最低賃金は909円です。要件は「最低賃金プラス30円以内」ということなので、指定期間内で3ヶ月以上、時間給939円以内で雇用している従業員が10人以上いれば、「最低賃金枠」への申請が可能になります。

最低賃金は、現在の全国加重平均902円から10月には930円程度に引上ることになるでしょう。
過去最高の賃金引上げ幅「28円」に対応するのが厳しい事業主を支援しようというのが、本枠の狙いと考えられます。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

第3回公募のスケジュールは以下の通りですので、申請を検討されている方は、早め早めに準備を進めていきましょう。

公募開始 7月30日(金)
申請受付 8月下旬予定
応募締切 9月21日(火)18:00
採択結果発表 11月中旬~11月下旬

※第3回公募締め切り後、さらに2回程度の公募が予定されています。

 

実際に申請される場合、必ず押さえておかないといけないルールやポイント等が非常に多岐にわたって設定されています。
それらを加味していない申請書類は、書類不備として審査すらしてもらえませんので、事業再構築補助金ホームページにて必ず公募要領等の資料をご確認ください。
なお、事業計画の策定においては、「認定経営革新等支援機関※」と一緒に策定することが要件として課されています。
まずは、信頼できる「認定経営革新等支援機関」を見つけ、申請についてご相談されることをお勧めします。

弊社も事業再構築補助金の1次公募において複数の採択実績をもつ認定経営革新等支援機関ですので、お問い合わせフォーム等からお気軽にご連絡いただければと思います。
ご検討されている事業内容等が事業再構築補助金の申請対象になるか、採択される可能性がどの程度見込めそうか等、無料でお答えさせて頂きます。

※認定経営革新等支援機関
中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関のこと。
事業再構築補助金では「事業計画書の確認書作成」や「所見・意見書の作成」および「採択後のフォローアップ」の役割を担うと想定される。

 

この記事の筆者

コンサルタント分才 敦史
大手広告会社にて、業界を代表する企業のマーケティング戦略、ブランド戦略推進に17年間従事し、中小企業診断士の資格取得をきっかけに新経営サービスに入社。 現在は、「地域ナンバー1のお店づくり」「ロイヤル顧客づくり」「選びたくなる理由づくり」をテーマに、飲食業のマーケティング支援、SNSマーケティング支援に取り組んでいる。 中小企業診断士/ブランド・マネージャー/ウェブ解析士

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