飲食店の売上向上ノウハウ飲食店のWeb・SNS徹底活用ノウハウ
飲食店の集客にとって「食べログ」や「ぐるなび」といった飲食店情報サイトの影響力は見逃せない存在です。
特に、食べログの点数をもっと上げたい、もっと良い口コミを書いてもらいたい、と経営者なら誰しも考えたことがあるのではないでしょうか。
毎月、決して安くはない広告費を支払ってでも、お店の点数を上げたいと考えるのは当然の流れでしょう。
しかし、食べログの公式見解として、
点数と有料サービスの利用は一切関係ない
と有料サービスの利用と点数の関連性を明確に否定しています。
(参照:食べログ FAQ https://tabelog.com/help/faq_service/)
もっとも、有料サービス利用店は、
標準検索で優先的に上位に表示される
お店の詳細画面で使える写真の点数が増える
といったメリットがありますが、お客様が高得点のお店に絞って探していれば、点数の低いお店はいつまでたっても選んでもらえません。
(食べログは、「3.5点以上のお店は満足できる確率が高いお店」とも公式にうたっています)
しかし、食べログの点数が低くても(3.0点前後)、毎日常連客を中心に繁盛しているお店はたくさん存在します。
私が足しげく通うお店も点数は低めですが、週3回以上訪れる常連客も多く、いつ、どの時間に訪れても本当に賑わっています。
そして、そういった繁盛店はインターネットメディアを上手に活用しているところが多いのが特徴です。
そこで、飲食店のインターネットメディア、とりわけSNSの徹底活用法について紹介していきたいと思います。
目次CONTENTS
01飲食店の成功に欠かせない「独自の集客手段」
- 他にはない看板メニュー
- お客様を気持ち良くする接客対応
- 独自の集客手段
あらためて言うまでもなく、飲食店での成功に欠かせない3要素です。
「独自の集客手段」としてホームページ、ブログ、SNSなどを活用しているお店は少なくありませんが、ほとんどのお店が期待したほどの成果をあげられていないのが現状です。
一方で、大きな成果をあげているお店が少なくないのも事実です。
この結果の違いはどこから生じるのか、順を追って説明していきます。
02飲食店がインターネットメディアを活用すべき理由
飲食店にインターネットメディアの活用をおすすめする理由は、主に以下の点からです。
低コスト(費用対効果が高い)
ホームページは制作時にまとまった費用が掛かりますが、自社で更新できる仕組みさえ整えてしまえば、ランニングコストはさほどかかりません。
SNSにいたっては、無料でアカウントを開設でき、運用費も無料です。
それでいて、お店の情報をいつでも簡単に発信できるのです。
他業種と比べて利益率の低い飲食店にとって、最優先で使いたいメディアです。
利用者が多い
性年代を問わず、インターネット利用者が非常に多いことも大きなポイントです。
利用者が多いということは、見てもらえる可能性も高いということです。
いくら低コストで利用できるメディアだとしても、利用者が少なければ意味がありません。
総務省の調査によるとインターネット利用者は国民の8割にのぼり、10~49歳では実に95%以上の人が利用しています。
最も接触時間の長いメディア
博報堂DYグループが発表した最新の調査結果によると、人々の1日のメディアの平均接触時間は約411.6分でした。
なんと1日7時間近くもメディアに接触していることになるのですが、実にその半分の時間(205.4分)をインターネットが占めています。
さらに言うと、スマートフォンからのインターネット利用は117.6分と2時間に迫り、この時間は年々増加傾向にあります。
今やスマートフォンは国民の8割以上が保有し、移動中の空き時間や就寝前など、暇つぶしに見られることも多いので、他メディアより情報を目にしてもらえる可能性が高まります。
プル型とプッシュ型の情報訴求が可能
プル型の情報伝達とは、英語の「Pull(引き出す)」の意味通り、お客様自身が能動的に情報を取りに来ることです。
逆にお客様の意思に関わらず、企業側のタイミングで自動的に情報を配信するものをプッシュ型と言います。
この両方の情報伝達パターンを使える点が、インターネットメディアの大きな強みの一つです。
企業ホームページはあって当たり前の時代
今やどの企業もホームページを持っていて当たり前の時代です。
ホームページは自社のことを知ってくれている人が、詳しい情報を求めて訪問してきます。
検索してホームページが出てこないと、その企業に対しての不安が高まるのみです。
何より、就職活動を行っている人にとっては深刻です。
応募を検討している企業にホームページがなかったとしたら、それだけで検討対象から外され、企業にとっては折角のチャンスを棒に振ることになるかもしれません。
以上がインターネットメディアの活用をおすすめする理由です。
コストパフォーマンスに優れるのみならず、利用者の多さと利用時間の長さは、全メディア中で1番です。
しかも、利用時間の過半を占めるスマートフォンにピンポイントで情報を届けることが可能なのです。
メディアとしての優先度の高さをお分かりいただけたでしょうか。
03多くの飲食店がホームページやブログ、SNSを
有効活用できていない理由
ホームページやブログ、SNSを活用してはいるものの、思うような成果が出ていないという場合、おおよそ以下の原因に集約されます。
- メディア特性を理解していない
- メディア特性に応じた使い分けを出来ていない
- お客様目線に立った情報発信を出来ていない
- あれこれ手を拡げすぎた結果、どれも滞っている
いかがでしょう。
あてはまるものがありませんか?
ホームページやブログ、SNSは特性が異なるため、違いを理解した上で使い分けなければ、狙ったような成果をあげることは難しいでしょう。
では、次にその原因を解決するための話をしていきます。
04ホームページ、ブログ、SNSの違いと役割分担
前述の通り、ホームページとブログ、SNSには特性の違いがあります。
よって、それぞれの特性を活かした使い分けを行う必要があります。
そこで、まずは以下の表をご覧ください。
それぞれの特性についてざっくりと理解できるように、○△×で表現しました。
「速報性」とは、リアルタイムに情報を発信でき、リアルタイムに反応を見ることが出来るかということです。よくご存じの通り、SNSはこの点に強みがあります。
逆にホームページやブログは、検索エンジンからの流入に依存するため、検索エンジンに情報が反映されるまでのタイムラグが生じます。(おおよそ2週間程度といわれます)
「情報の寿命」とは、発信・掲載した情報が、どれだけ価値を持ちつづけるかということです。
ホームページやブログに掲載されている情報は基本長持ちする情報が大半ですが、SNSは鮮度が命といった投稿が多いため、すぐに劣化して価値がなくなってしまうケースが多々あります。
ホームページの役割:お客様からの信頼を売上に繋げる
前述の通り、ホームページを訪れる方は、自社のことを知ってくれていて、さらに詳しく情報を知りたいという方です。
訪れてくれた方には、企業としての信頼性と安心感を担保し、その信頼を売上げや採用に繋げられるようにする必要があります。
よって、飲食店のホームページの掲載情報は以下のような、長期的、普遍的な情報掲載が向いています。
お店の雰囲気、世界観が伝わる内装、外観、料理写真
お店の基本情報
運営会社情報
採用情報
ちなみに、ホームページはスマートフォンで見られることを重視したデザイン、レイアウトにしてください。
ブログの役割:お役立ち情報で集客力を高める
ブログを上手に活用できれば、集客力を高めると同時に見込客を増やすことが可能です。
ブログは調べ物をしている人が、検索エンジン経由で到達するケースが多いメディアです。
つまり、必要とされる情報が多いほど、ニーズのある記事が多いほど、検索でヒットする可能性も高まります。
また、ブログは長文投稿が可能なため、説得力のある情報を提供でき、読者を見込み客に変えることも可能なのです。
最初は検索結果で上位に表示されなくても、一度上位に表示されれば、記事が必要とされ続ける限り、安定した集客を見込めるようになるのは非常に魅力です。
飲食店でブログを利用するのであれば、「お客様が必要としている情報」をよく考えて発信しましょう。
お店の宣伝ばかりの記事になってしまうと、集客にも見込客育成にも寄与しない、「価値のない文字データ」で終わってしまうので要注意です。
SNSの役割:お客様との距離を縮め、ファンを育成する
SNSは身近な友人やフォロワーと気軽にコミュニケーションを楽しむツールとして利用者を増やしてきました。
よって、ホームページやブログの読者とは対象的に、能動的に情報を求めている閲覧者は少ないというのが特徴です。
SNSユーザーはスマートフォンで情報を流し読みし、気になる投稿があればリアクションするといったパターンが一般的です。
そのため、興味を引く情報や画像を投稿できなければ、その他多数の投稿に埋もれ、そのまま流れていってしまいます。
1. 最大の魅力は情報の拡散性
SNSは、自店を知らない人にもフォロワーや友達のリアクションを通じて、情報拡散されることが大きな魅力です。
「フォロワーがリアクションした投稿がたまたま流れてくる」といった形で拡散されていきます。
見込客が来店などのアクションを起こすには、まず“認知”してもらうことが必要です。
“認知”し、“興味”を持ってはじめて、人は行動を起こし始めるのです。
気軽に見られるメディアなので、こちらも肩肘張らずに気軽に投稿していきましょう。
ただし、ブログと同じく、宣伝に終始した投稿はNGです。
視聴率等の調査を手掛ける「ニールセン」が2015年に行った広告信頼度調査において、とても興味深い結果が出ました。
マスメディア広告の信頼度は60%前後、知人や家族からの口コミの信頼度は83%
だそうです。
人の購買行動に大きな影響力を持つのは、テレビCMでもインターネット広告でもなく、家族・友人・知人からの推薦(口コミ)なのです。
企業の自薦投稿は単なる広告にしか映りません。
しかし、身近な人が口コミした瞬間に、それは“有益な情報”に変わります。
フォロワーがリアクションしたくなるのはどういった投稿か、お客様視点に立って考えることが大切です。
2. お客様との関係性を深められる
SNSの投稿頻度は、毎日が理想です。
その理由は、SNSを通じてお客様との接触回数を増やすことで、お店とお客様との距離を縮めることができるからです。
人は単純接触を重ねるうちに、接触相手に対する好意度や印象が高まるという性質を持っています。
(1968年 アメリカの心理学者 ロバート・ザイアンスが発表した「単純接触効果」。広告業界でも利用されています)
つまり、お店の投稿が日々お客様の目に触れること自体に意味があるのです。
※大事なことなので繰り返しますが、宣伝に終始した投稿はNGです。
お客様の共感を得られ、目に留まる情報を考えましょう。
単に流れていってしまう広告になってしまっては接触になりません。
SNSの情報は、事前につながったフォロワーに届けることができます。
よって、リアル店舗に来てくれたお客様と積極的に会話を交わし、お客様のSNSアカウントを聞き出す努力をしましょう。
冒頭でもお話しした、集客手段としてインターネットメディアの活用に成功しているお店は、リアル店舗でお客様を大切にするのはもちろんのこと、オンラインの世界でもお客様との関係性を日々あたため、ロイヤルカスタマーの育成に力を入れています。
だからこそ、お店が告知を流せば、お客様が応えてくれるのです。
ここまで、ホームページ、ブログ、SNSの特性や役割分担についてお話してきました。
インターネットメディアの利用法としては、
①SNSで認知を獲得し、お客様との関係性を深め
↓
②ブログでファンを作り、
↓
③ホームページでファンを売上につなげる
という流れが王道です。
しかし、リソースに余裕があるとは言い難い飲食店は、無理してすべてに手を出す必要はありません。
飲食店とSNSは親和性が高い
ホームページは絶対に必要
という点から、SNSとホームページの2つを運用してください。
そして、
リアル店舗→SNS→リアル店舗
または、
SNS→ホームページ→リアル店舗
という流れを生み出すことを目標に取り組んでください。
05飲食店がSNSですべき投稿とは
SNSは、お客様との関係性を深め、ファン育成に長けたメディアだとお話ししました。
SNSでお客様との関係性を深めるためには、まず、投稿がお客様の興味を引き、目に留まることが条件です。
繰り返しになりますが、SNSの閲覧者は、決して前のめりで情報を探しているわけではありません。
何か面白い情報がないか、暇つぶし程度に“眺めて”たり、“流し読み”をしている人が大半です。
そんな時に単なるお店の宣伝情報が興味を引くでしょうか。
興味を引くためには、 “自分ごと化”や“共感”を生まないといけません。
投稿の方向性としては、以下の3つの感情を閲覧者の心の中に育むことを意識した投稿を考えてみてください。
<投稿内容の具体例>
人の温もりを感じられる話
苦労話や失敗話
お客様との交流の様子
共感を生むには、そこに人の体温が感じさせることが効果的です。
また、人は、完璧な人よりも弱い人を応援したくなるものです。
上記以外にも色々な投稿が考えられると思いますので、お客様の反応を見ながら、ぜひ自店のお客様を引き込む “勝ち” 投稿を編み出してください。
06主要SNSの特性
最後に、主要SNSの特性を簡単に整理して紹介しておきますので、参考にしていただければと思います。
世の中にSNSは色々とありますが、飲食店であれば、Facebook、Instagram、Twitterの3つを押さえておけば間違いないでしょう。
3つも運用する余裕がないという場合は、FacebookとInstagramの2つを優先してもらえればと思います。
特にInstagramはビジュアルが大きな役割を果たすため、飲食店にとって非常に相性の良いメディアだといえます。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
冒頭で食べログの話をしましたが、ここで、改めてご自身に置き換えて考えてみてください。
運良く点数の高いお店を予約でき、実際に訪問しました。
そして、「高得点も納得」と、満足して店を後にしたとします。
その後、毎週のように通っているお店はどれくらいありますか?
私自信を含め、私の周囲の人がそのようなお店の話をしているのをほとんど聞きません。
もし、食べログ上での自店の評価が低ければ、高得点のお店ばかり開拓する方には、永遠に自店を見つけてもらえないかもしれません。
しかし、既存のお客様を大切にし、お客様に愛されるお店になれば、お客様が必ず新しいお客様を紹介してくれます。
食べログで高評価を獲得するに越したことはありませんが、我々が大切にすべきことは、来店いただいたお客様との関係性を深めていくことではないでしょうか。
そのために、本記事が少しでも参考になれば、とても嬉しく思います。
他にも、ここでは書ききれないSNSを活用する上でのノウハウは色々とあります。
ご興味のある飲食業、飲食店運営企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。