飲食店の売上向上ノウハウ誰に対して販促を打つのか?
「目的別販促計画」ノウハウ
集客に効果のある販促は、インターネット・本など巷にはたくさん情報があふれています。
ただ、それを活用しても、「まったく効果が出ない」といった経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。
どうすればお客様が店舗に足を運んでくれるか、今回目的別に販促を打つ重要性を理解していただき、目的ごとの具体的な販促事例をご紹介します。
目次CONTENTS
01目的を設定しないことによる販促失敗
販促の失敗とは、以下のような状態を指します。
- 想定通りの成果が出ない
- 販促コストの負担が大きすぎる
例えば、
- コストをかけて、競合店や有名店などの販促を真似たがうまくいかなかった
- 新規客を集め続けるために、多大なコストをかけなければならない。
のようなケースです。
毎月結果が求められる店長は、単発で結果が出やすい販促方法につい目が行きがちです。
ただこのケースは、一時的には効果があるものの、長続きせず、コストをかけ続けなければなりません。
例えば、チラシやフリーペーパーなどです。新規客を集めるためには効果的かもしれません。
ただし、そこからリピートにつなげる流れを作らなければ、いつまでもその施策だよりとなり、コストをかけ続けることになります。
また同じような施策を繰り返し続けていると効果は低減していきます。「とりあえず、今月は何とかなった」と「来月もチラシで…」とならないように、長期的な視点で販促を考える必要があります。
そのためにも、販促の目的をきちんと把握したうえで、取り組む必要があります。
販促目的の設定方法
繁盛店にしていくためには、リピート客を増やすことが重要ですが、新規客からリピート客へなかなかつながらない、流れを作れていないことが多く見受けられます。
ここで長期的な視点で販促の目的を考えるためにAMTULという、“消費者の長期的な心理の移り変わり”に着目したモデルを紹介します。
AMTULとは、
A(Awareness)…認知
M(Memory)…記憶
T(Trial use)…試用
U(Usage)…継続利用
L(Loyal use)…愛用
の5段階の消費者行動のプロセスの頭文字をとったものです。
もう少し具体的に説明します。
A(Awareness)…認知
「職場の近くにあのお店がある」
「看板を見た」
というような状態です。
M(Memory)…記憶、理解
「ラーメンを食べたい、居酒屋に行きたい」と消費者が考えた際に「頭に思い浮かぶ」状態です。
T(Trial use)…試用
「一度試しに行ってみよう」と考え、「お試し利用する」状態です。
U(Usage)…継続利用
何度か利用している状態です。
また「ランチに行くなら、ここか、それともあそこか」というように選択肢として毎回候補に挙がる状態です。
L(Loyal use)…愛用
「同僚と飲みに行くと言えばここ!」
「週に何度も利用する!」
「このお店のファンだ!」
という状態です。
先に挙げたチラシやフリーペーパーなど、単発の販促は、認知or記憶or試用には効果がありますが、継続使用、愛用にはつながりません。
02目的別の販促方法
お試し客を集める販促方法「露出を増やす」
お試し客を集めるためには、まず消費者の認知・記憶をクリアしなければなりません。つまり露出をいかに増やすかということを考える必要があります。
例えば、
- 看板
- 店を目立たせる外観装飾
- 折り込みチラシ、ポスティング
- フリーペーパーへの掲載
- SNS映え目的の商品開発等、SNSの活用
- 飲食ネット媒体への掲載
- GoogleMapの活用
- 外国人集客媒体への掲載、など
お客様に知ってもらい、一度試してみようと思ってもらえるような施策を打ちます。
お客様をお試し利用から継続利用に導く販促方法「もう一度」
お客様にお試ししていただいたからと言って、また利用いただけるとは限りません。
販促の効果を最大化するためには、また利用いただくための流れを作る必要があります。
例えば、
- 割引券
- スタンプカード
- LINE@などのアプリ登録
- DM
などが挙げられます。
お試しできていただいたお客様に「もう一度」利用いただくための仕掛けを必ず行いましょう。
ただし、もっと大事なことは、QSCです。味・接客・清潔感など、お客様に合格点をもらえることが前提条件です。
チラシなどで集客をすると、一時的に客数が増えるため、ふだんより忙しくなることが想定されます。
忙しいからと言って、QSCが低下すると「もう一度」利用したいと思ってもらえません。
忙しく「提供時間が遅くなった」「オーダーミスがあった」場合などには、お客様のお見送りを徹底し、気持ちよくお帰りいただくよう工夫を行いましょう。
お客様を継続利用から愛用に導く販促方法「ファンを作る」
販促の最大の目的は、ファン化です。何度もリピートしてもらえるお客様が増えれば、お試し販促を打つ必要がなくなります。
ファンを増やすコツに特別な方法はありません。もっとも明確な方法は「コミュニケーションの量と質の強化」です。
例えば、
- お客様と会話すること
- お客様を覚えること
- 特別扱いをすること
- 応援してもらえるような関係を作ること
です。
お客様と会話すること
お客様との会話は、お店のスタッフとお客様とのつながりを作る最初のポイントとなります。
注文・配膳時だけではなく、お冷を注ぐ際にちょっとした会話を交わすことを心がけましょう。
最初は「今日は暑いですね」など話し掛けやすい話題で構いません。
お客様を覚えること
お客様の顔や名前を覚えることは、お客様との距離感をぐっと縮めることに効果があります。
「○○さん、いつもありがとうございます。」
「今日は、ハイボールではなくビールなんですね。やっぱり夏はビールですよね。」
「前回、喜んでいただいた魚、今日も入っていますよ」
などの声掛けがあると、「尊重されている」「大事にされている」と感じるものです。
特別扱いをすること
すべてのお客様に公平にする必要はありません。
いつも利用していただけるお客様には特別扱いしてもよいものです。
例えば、上記のような特別感を演出することもそうですが、
「今日は混んでいないので、広めの席をご用意しますね」
「ちょっとサービスしておきますね」
「特別な新しいお酒を入荷して、まだメニューに載せていないのがあるんですが、お試しされますか」
「常連さんにだけ出している裏メニューがあります」
など、「お試し客には提供できないけれど、常連さんには提供してもよい」というような商品やサービスを、特別感を演出しながら、お客様にお伝えすることが効果的です。
応援してもらえるような関係を作ること
お客様との距離をさらにぐっと縮めるには、お客様に応援してもらう仕掛けや関係性を作ることが大事です。
例えば、
「新商品を開発中なのですが、一度食べてもらって、感想を聞かせてもらえませんか?」
「今クラウドファンディングで、○○のような取り組みを実施しています。応援してもらえませんか?」
「宴会のご予約の時期ですが、よかったらうちを使ってください」
「5周年記念イベントを実施します。御都合がよければぜひお越しください」
など、お客様に対して、お願い事をすることです。
良い関係性が作れている状態であれば、お客様も「頼られる」ことに対して悪い気持ちは抱きません。
ファンは応援したくなるものです。
まとめ
販促の最大の目的は、ファン(愛用客)を増やすことです。
短期的な視点で、新規販促を繰り返していると、いつまでも販促コストがかかり続けます。
販促効果を最大化させるために、まずは新規販促から継続利用、愛用までのストーリーを描くことが大切です。
同じコストをかけて「新規客50人来店、継続利用0人」「新規客50人来店、継続利用10人、愛用5人」では効果が全然違います。
今回、目的別販促方法についてお伝えしました。お伝えした内容について、質問・相談など随時受け付けております。
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