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飲食店の運営ノウハウすぐに変えられる!業績が伸びる「店長会議」ノウハウ

すぐに変えられる!業績が伸びる「店長会議」ノウハウ

長年の問題を解決でき、店長に喜ばれる
最強の店長会議のつくり方を紹介

店舗展開している企業では、毎月1回、当たり前のように「店長会議」が開かれています。 本社としては、店舗の業績を確認し、店長を指導・鼓舞する重要な場として捉えられていますが、実際は、以下の声があるように店長会議が有効に機能していません。

「今日の会議も長かったね・・・。もっと効率よくやってほしい」
「売上未達だったら、公開説教・・・。『はい』って言うしかないし、本当に辛い時間」

このように多くの会社でされている「店長会議」は店長にとって苦痛なものです。ただでさえ忙しい店長を、お金と時間をかけて集めているにもかかわらず、参加者たちからこうした感想が上がる店長会議は、無駄・無意味なものになっていくばかりです。

目次CONTENTS

01店長会議に対するネガティブな感情が芽生える理由(一例)

  • 店長会議が「報告会議」になっている

    店舗の業績・数値報告、各店舗の状況報告、本社報告などを一方的に伝達するだけなので、わざわざ会議に足を運ばなくても、店に送られてくる情報をパソコンで見れば分かる。

  • 会議時間の 9 割が、社長・幹部による一方的な話

    それも毎回同じような内容。ほとんどが現状の問題点に関するもので、会社の目指す姿・ビジョン、それに向けた戦略など、聞いていてワクワクと心躍る話がなくなってきた。ほとんどの参加者が聞き役で、発言する機会がない。

  • 「言いっ放し会議」になっている

    たとえ議論があっても、その場だけの盛り上がりで、具体的な新しい行動に結びつかない。次回の会議でも、前回の議論や結果に対するフィードバックがなく「前回のあの話は何だったの? 会議」になっている。

  • その場で思いついたことを言い合うだけになっている

    直面している重要な問題や課題に対する議論に発展することが少なく、一部の発言力のある店長が個人的に感じている問題を語り、それに関する話し合いで終わってしまう。

  • 社長の考え・意見を押しつけてしまっている

    社長は「みんなで話し合おう」「議論しよう」と言いながら、意に沿わない意見が出ると、「そうじゃない、こうなんだ! 」と自分の考えを押しつけてしまうため、店長たちは自主的に発言することができなくなっている。

  • 長時間にわたる会議

    丸一日を会議に費やしながら、議論はダラダラとしており、多くの時間が一部の店長・店舗に対する指導に当てられている。

  • 営業開始前の朝、あるいは営業終了後の夜遅くからスタートする

    毎回の会議が、営業開始前の朝、あるいは営業終了後の夜遅くからスタートする。または、急に招集されたり、日程が突然変更されたりするため、店長は、店舗の人員配置などの対応に追われ、店舗スタッフに負担を掛けてしまう。また、公休を削って参加することになる。

店長会議が機能するどころか、

  • 店長のやる気↓↓
  • 意見が出ない
  • 何の成長も感じられない

「店長会議に行きたいくない」と思われる最恐の店長会議に。。。

店長会議ノウハウを活用すれば、こうなる

  • 店長のやる気↑↑頑張るようになる
  • 意見が活発になる↑↑会議が盛り上がる
  • 毎回の店長会議で成長を感じられる
  • 成功事例が溜まる
  • 人事制度や経営理念など、各種制度が浸透する
  • 店長だけでなく、ついでに幹部が育つ

店長会議は、今すぐに変えることができ、そして会社成長の大きな原動力となる。

私はこれまで、多くの店舗経営企業の業績向上支援に取り組むなかで、「店長会議改革」によるアプローチを行ってきました。それによって、多くのクライアント先で店長会議に対する店長の満足度が上がったのはもちろん、結果として「業績向上」、それだけでなく「人手不足の解消(離職率の低下、採用力の向上)」まで実現しました。

店長の育成は難しいテーマですが、店長会議を変革してから半年~ 1 年以内に、クライアント先の社長から「○○店長が本当に変わってきた」というお声をいただきます。

店長会議は、今すぐに変えることができ、活用の仕方によっては会社成長の大きな原動力に なるのです。

02店長会議ノウハウの紹介(一例)

店長会議改革支援では、多くのノウハウがありますが、ここではほんの一例をご紹介することにします。

  • ノウハウ①レイアウトは島型にする

    会議を開いても店長から活発な意見が出ず、なかなか盛り上がらないという悩みがあるのであれば、机や椅子などの配置によって、会議室のレイアウトを変えることが活性化の手 っ取り早い対策です。

    レイアウトは会議の雰囲気に大きく影響します。会議の狙いによってさまざまなレイアウトがあり、目的や内容によって使い分けます。レイアウトのパターンには、スクール型、シアター型、口の字型、コの字型、島型、対面、正さん形式などがあります(表参照)。

    スクール型 塾や学校のように全ての机、椅子が演台の方向を向いているレイアウト。勉強会や講演会、セミナーなど 1 人が複数人に対する際にこの形式を取る。
    シアター 座席が全て舞台の方向を向いているレイアウト。スクール形式との違いは、椅子だけを並べる点。机を使用しない分、省スペースとなり、より多くの人数を動員できる。入社式、壮行会などでこの形式を取ることが多い。
    ロの字 長机を「口」の形に配置。参加者全員が適度な距離感で、顔を見合わせるレイアウト。重役会議ではこの形式を取ることが多く、参加者に緊張感を与える。デッドスペースが多く、ある程度、部屋の広さが求められる。
    コの字 机を「コ」の形に配置。ロの字の一辺を抜いた形で、その位置にホワイトボードやプロジェクタースクリーンを置いて、それを確認しながら会議を進めたり、プレゼンの場などで使われるレイアウト。
    島型 アイランド形式とも呼ばれる。座席と机の組み合わせを会議室内に複数つくるレイアウトで、通常各島に 3~6 人ほどが割り振られる。グループごとに作品制作や議論を行うときによく使われる。
    対面 2 つのチームが 1 列になり、机を挟んで向かい合うレイアウト。代表者同士が正式なあいさつをしたり、契約・調印を交わしたりなど、改まった場にふさわしい形式。
    正さん 座席で取り囲んだ円卓を室内に複数設置するレイアウト。結婚披露宴やパーティではほとんどこの形式が取られる。

    役員会議をイメージしてみてください。大きなロ(あるいはコ)の字型にレイアウトされた会議室が思い浮かぶでしょう。役員会議では、実質的な審議は前段階の別の少人数での会議で行っており、実際の役員会議は、いわゆる根回し済みの案件を粛々と承認していく場になることが多いものです。「役員会ではあまり異論を出してほしくない」という意図もあるかもしれません。

    このように会社の会議レイアウトは、総じて役員会議タイプのロ(コ)の字型が多いようです。店長会議も、「もっと活発な意見を出してほしい」と求めていながら、レイアウトが「あまり意見を言わなくていいよ」タイプになっているのです。

    ロの字型の机の配置では、会議参加者の前に空間ができます。この空間は、実は空間ではなく「見えない壁」です。

    参加者に密な雰囲気を生み出したいのであれば、隙間のない島型にします。人は、近い方が親密に話しやすく、込み入った内容のやりとりもできます。逆に、遠いと話しづらく、社交辞令的な話になりがちです。話す相手との距離は非常に重要な要素です。

    島型テーブル

    私が提案する店長会議は、最大でも 20人くらいの規模で、島型レイアウトです。発表用のプロジェクターの設置がしやすい他、活発な意見を促すためにも、この構成が望ましいと考えます。

    では、この島型は1グループ何人くらいが望ましいのでしょうか? 実は、何人で島(グループ)を組むかによって、議論の活性化、参加者の主体性が左右されます。

    会議は参加人数が多くなるほど、「自分が発言しなくてもいい」といった気分になりやすく、意見を出す人が少なくなります。傍観者が出てくるのです。その人たちは、会議にただ出席しただけになり、参加の意義を感じなくなってしまいます。

    全員が参加意識をもち、活発に意見を出し合える環境は、4人1グループがベストです。2人だと発言の多い人が一方的に話しがちになり、5、6人になると、「誰かが意見を言ってくれるだろう」と考える傍観者が現れ、いずれも主体性の低い人を生んでしまいます。3人では、成功事例や情報の共有という観点から、情報が物足りなくなります。

    参加者が 20人くらいの場合、図のようなレイアウトが理想的です。

    会議室のレイアウト例

    この場合は、会議室の広さは 60~70㎡です。
    会議参加者1人当たり約3~3・5㎡が適当で、
    10人程度のときは、30~35㎡で3島
    15人程度のときは、45~55㎡で4島
    20~25人程度のときは、60~70㎡で5島
    あればよいでしょう。

    こうしたレイアウトを組むためにも、本社会議室で用意できないのであれば、アクセスのよい明るい貸し会議室を活用します。

  • ノウハウ②月替わりで、店長に武勇伝を語らせる

    月次表彰の場で、取り組み内容が優秀だった店舗の事例として、本社幹部から自店舗を発表してもらえることは、店長にとって何よりも嬉しいことです。

    れをさらに効果的にするために、本社幹部は、発表とコメントの後にぜひ当人である店長に「ヒーローインタビュー」してください。プロ野球の試合終了後に、その試合で最も活躍した選手をお立ち台に呼んで行うインタビューを、部下と上司の関係で応用するのです。

    実は、ヒーローインタビューはコーチングにおける「質問法」の一つです。
    本部幹部が、店長から成功体験をインタビューで聞き出すのです。
    意外にも、成果を出した本人も、なぜ結果・成果を出せたのか分かっていないケースがあります。無意識の行動が、成功のポイントになっていることも多いものです。

    それを、ヒーローインタビューを通して「言語化」し、自店舗でも他の店舗でも再現できるように、成功・改善ポイントを見える化(ノウハウ化)していくのです。

    上司は聞き役に徹し、できるだけ詳しく話してもらいます。上司は、「あの状況で難しいことだと思ったんですが、よくやり遂げましたね! その秘訣は何ですか?」と武勇伝を語らせるように話を引き出していきましょう。
    ヒーローインタビューには、次のような効果があります。

    • なぜ成果が挙がったのか、当の店長にとっても振り返る機会となり、再現に向けたポイントを認識できる。

    • ヒーロー店長は話をしているうちにイキイキとしてきて、今後に向けて自信とやる気が生まれる。

    • 本社幹部と、店長との心理的な距離が近づく。

    • ヒーロー店長の熱い思いや取り組み事項が、他の店長への刺激となり行動を促す。互いに刺激を与え合い、「切磋琢磨」の関係になる。

    どんな店長も、経営者や上司から「こうしなさい」「ああしなさい」と指示されるばかりでは、行動が受け身になってしまいます。同僚店長の成功事例を聞くことは、一番リアルな刺激となって、自発的な行動を促すことにつながります。

    成果を出した店長からの「自分の店も、○○だったのですが、まず○○からスタートし、○○に気をつけて進めていきました。すると、○○の反応があって、うまくことが進むようになりました」などという話が他の店長に刺激を与えます。

  • ノウハウ③毎回10分だけ制度浸透タイムを設ける

    例えば、人事評価制度。人事評価制度も、制度構築までは外部のコンサルタントを交えながら時間と費用をかけた割には、うまく運用・機能していないといったことがよくあります。
    実際によく見られる状況として、以下のような点があります。

    • 現場社員に対する店長評価がスケジュール通りに本部に上がってこない。

    • その結果、本部で評価を調整・確定するスケジュールも押してしまい、その後の人事評価のフィードバック面談が賞与支給日の後になってしまう。あるいは、面談すらされていない。

    • 各店長の評価基準がバラバラで、正しく評価できていない。

    • 人事評価面談は、本来、課題解決に向けての動機づけ(モチベーションアップ)を目的としているにもかかわらず、重箱の隅のつつくように〝できていないこと〟ばかりを指摘して、面談をやるたびに現場社員のモチベーションを下げてしまう。

    これらの諸問題の原因は何でしょうか?
    その運用できない、機能させられない原因を整理すると、

    • 店長に評価・面談の重要性を伝えられていないこと
    • 評価スケジュールを事前に伝えられていないこと
    • 評価・面談における注意点やポイントが伝えられていないこと
    • 店長のあるべき姿を浸透させられていないこと(マメに伝えられていないこと)

    といったように、結局は「本部が店長に伝えられていないこと」が原因です。
    逆に言えば、人事評価制度を運用、機能させるためには、本部が店長にこれらのことを「伝える」ことができればよいのです。

    多くの会社では、評価月前に年2回ほど評価に関して伝える機会(評価者研修なども含めて)があると思いますが、もし毎月開催される店長会議の場を活用できれば、極端な話、毎月、制度浸透に向けて伝える機会があるわけで、そこで伝えることができれば、時間的・コスト的にも非常に効率的です。

    制度の機能度は「どれだけ伝えられているか」とも置き換えられます。年に1回、2~3時間かけて店長にレクチャー、説明するよりも、毎月の、店長会議で、評価制度にほんの少し触れるだけで、店長の脳への刷り込み具合は高くなるのです。

    ある会社では、やはり評価制度がうまく運用できず、機能していませんでした。つくっただけの制度となって、店長に対する教育的効果も見られませんでした。
    そこで、表のように店長会議のなかでたった5~10分、人事部からの時間を設けました。すると、非常に高いレベルで運用できるようになったのです。

    店長会議で伝えること

    毎月、制度に関しての確認や勉強会があると、店長は「またか」という感覚をもつかもしれませんが、耳タコのように伝えるくらいで、初めて伝わるものです。コミュニケーションは〝伝える〟だけでは足りず〝伝わって〟初めて目的を果たします。「伝える」と「伝わる」は違うわけです。

    人事評価の機能、浸透だけでなく、経営理念や行動規範の浸透も、結局つくっただけでは浸透しません。あの「クレド(理念・行動規範)」で有名なリッツカールトンホテルも、そのクレドの浸透に向けては、クレドが記されたカードの常時携帯だけではなく、毎日の朝礼(ラインナップと呼ばれる)で、一つずつ社員同士で確認し合う場をつくっています。

    人事評価制度がうまくいっていない、店長への浸透度が低いと感じるのであれば、毎月の店長会議の中に、5~10分でよいので制度に触れる時間をつくってみてください。

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