飲食店の評価ノウハウノーマル店長を「S級店長」に育てることができるノウハウ
ノーマル店長を、短期間にS級店長に育て上げるためには、S級店長に向けて「具体的に何が出来なければならないのか」を把握することが有効です。それに向けての「S級店長度 診断シート」を紹介し、社内検定化(S級店長認定試験)を進めましょう。
「お店は店長次第」
店舗を営む経営者が、異口同音に言う言葉であり、「お店は店長次第」で良くも悪くもなります。
だからこそ、経営者は店長教育に時間とお金を投入し、育て上げることに必死になります。しかし、その労力とは裏腹に、なかなか思うように店長が育たっていかないと感じることも多いことでしょう。
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店長にはなれたが(したが)、そこから先、店長としての成長が見られない
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ノーマル店長が、S級店長になるために何が必要になるのか、本人も経営者もわかっていない
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新任店長も、実力あるS級店長も、同じ肩書の「店長」であり、処遇面もあまり差がなく、不公平感を感じている
店長や経営者が、S級店長の要素を具体的に示すことができれば、定期的にそれをチェックし、成長課題を確認できます。また、社内において「S級店長」としての認定をすることもできるでしょう(認定試験化)。
その為に必要となるのが「S級店長度 診断シート」です。
ここでは、サンプルとして実力あるS級店長の要素をご紹介し、自社ならではのS級店長度診断シートに加工していただき、自社の評価・教育ツールの一つとしてご活用していただければと思います。
目次CONTENTS
01なぜ店長を育成しなければならないのか?
店舗の収益は、第一次的には、立地に左右されます。しかし、一度、経営者の判断で立地を選定し出店した以上は、その店舗の収益を伸ばすも減少させるも店長の力量です。
ここで、同じ店長という肩書であっても、様々な力量があります。
- 店長になりたて経験の浅い新任店長
- 店長としては一応経験値があるが、実力があるとはいえない店長
- 不採算店の立て直しや、業績を伸ばし続けることができる実力のあるS級店長
多くの場合は、①もしくは②の力量の店長でしょう。③の実力あるS級店長は、企業においてもなかなか存在せず、居たとしても既に昇進し上のポジションになっていることが多いでしょう。
店舗経営企業の収益の源泉は、収益を生み出す最前線基地である店舗です。そして、その店舗の収益は、店長の実力に左右されるのです。
よって、その店舗を任される店長の育成は、間違いなく企業の最重要課題となり、多くの経営者があの手この手を使って、店長を育成しようとしているのです。
02店長がS級店長に育たない理由
各企業は、人事評価制度や、店長研修などを通じて店長の育成を図っているにも関わらず、店長が実力あるS級店長になかなか育たない理由は何でしょうか?
その大きな理由が
「そもそも実力ある店長の発揮すべき能力レベルがわかっていない(店長、経営者ともに)」
ということです。
つまり、目指すべきゴール地点が示すことができていないので、店長も、経営者も、何をどのように成長させていかなければ分かっていないのです。もう少し、誤解のないように伝えるならば、頭の中ではボンヤリとあったとしても、それが言語化されておらず、上司が店長に対して、思いつきのように「あーしろ、こーしろ」と指示、育成をかけているので、上手く成長させることが出来ていないのです。
ゴール地点がわからなければ、現在の自分の能力レベルも計ることもできません。人事評価表制度を導入している企業においても、店長用の人事評価表があることでしょう。その評価項目をそれぞれ満点をとることができれば素晴らしい店長ということにもなるでしょうが、人事評価表で、S級店長として求めたい全ての能力項目が列挙されているのか?というとそういうわけでもありません。
大事なことは、自社のS級店長は、何がどのレベルで出来ればS級店長なのか、をしっかり定義することです。
03S級店長に必要な要素
では、S級店長としての能力レベルとしてはどのようなものが求められるでしょうか?大きなカテゴリーとしては、以下①~⑤を提案いたします。
① 数値マネジメント |
② リーダーシップ |
③ 採用・教育 |
④ CS・セールスビルディング |
⑤ 人間力 |
① 数値マネジメント
お店の利益を高めた、不採算店を軌道に乗せた、といったことが出来れば、その店長は社内においても優秀店長と評価されます。
その為にも、店舗の損益計算書(P/L)をしっかり把握することから始まり、どの数値を改善すべきなのかを分析できなければなりません。
また、その分析力した結果を、店長だけでなく店舗スタッフ皆と共有し、同じ認識になっていることもS級店長に求められる数値マネジメント力となります。
★ダウンロード資料であるサンプルには、数値マネジメント項目で10個の具体的な診断項目を設けています。
② リーダーシップ
店長一人でやみくもに頑張ったところで、お店は良くなっていかないからです。
その為には、スタッフ全員にとって、力を出し合って目指したい姿(ビジョン)が共有できているかどうか、それに向けての納得できる具体的なロードマップ(計画)が示せているかどうか、スタッフにとって店長について行きたいと思える存在となれているかが重要となります。
★ダウンロード資料であるサンプルには、リーダーシップ項目で10個の具体的な診断項目を設けています。
③ 採用・教育
採用においては、求人広告費をジャブジャブ使い採用できたところで収益は悪くなります。
S級店長は求人広告費を使わずとも、紹介などでの採用が出来ていること、そもそも離職が少ないのというのも共通点として上げられます。教育においても、スタッフをしっかり動機づけ、モチベーションを高めながら、早期戦力化図れていることも重要となります。
★ダウンロード資料であるサンプルには、採用・教育項目で10個の具体的な診断項目を設けています。
④ CS・セールスビルディング
その売上向上に向けて、CS(顧客満足度)の向上、セールスビルディング(計画的な販促)もしっかり出来ていることがS級店長の共通点です。
そして、これらのことも店長一人で実施するのではなく、店舗スタッフを上手く巻き込み、主体性を促しながら、皆でこの活動に取り組むことが重要となります。
★ダウンロード資料であるサンプルには、CS・セールスビルディング項目で10個の具体的な診断項目を設けています。
⑤ 人間力
スタッフに求めておいて店長自身が出来ていなかったり、スケジュール管理や健康管理などセルフマネジメントが出来ていない店長には信頼もなく、スタッフはついていきたいとは思えません。
S級店長と呼ばれる店長は、皆、素晴らしい人間力があります。
ここで、抽象的な人間力というものが具体的にどういったことなのかを言語化することが重要となります。
★ダウンロード資料であるサンプルには、人間力項目で10個の具体的な診断項目を設けています。
04S級店長度診断シートの内容
これまでお伝えしてきたS級店長に必要な要素、発揮能力レベルを定期的にチェック・評価できるように、言語化(シート化)いたします。
ダウンロードできるサンプルの診断シートは、①数値マネジメント ②リーダーシップ ③採用・教育 ④CS・セールスビルディング ⑤人間力 のテーマで合計50の診断項目を設けております。
それぞれの項目に対して、3段階(A:自信を持ってできているレベル B:できていない時がある(習慣化してできているとはいえない) C:できていない)で評価し、それぞれ A:2点 B:1点 C:0点としています。つまり、50項目について全てA(2点)であれば、100点となります。
その100点満点の評価を、本人、上司と出来るようにしております。さらに、経営者が評価できるようにもしておりますが、経営者が常に全ての項目を評価できるわけではありません。その場合には、経営者として評価できる項目だけを無理せず評価すれば良いというフォーマットにしております。
評価 | 評語(レベル感) | 点数 |
---|---|---|
A | 自信を持って出来ているレベル | 2点 |
B | できていない時がある | 1点 |
C | できていない | 0点 |
当シートを用いて、実際に数々の評価サンプルを収集いたしましたが、S級店長といえるレベルにある実力店長は、70点以上を獲得しております。それ以下のノーマル店長といえる店長でも、少なくとも40点は必要になるでしょう。これらを水準を参考に、社内のS級店長認定試験などに活用することが出来ます。
是非、参考にして貴社にカスタマイズした形のS級店長度診断シートの作成をしてみてください。
まとめ
ここまで、ノーマル店長を、短期間に実力あるS級店長に育て上げるためには「具体的に何が出来なければならないのか、今自分は何点なのか」を把握することが有効だとお伝えしてきました。
その為にも、自社ならではの「S級店長度 診断シート」を作成し、定期的にS級店長度を診断していき、成長に向けての課題を明確にしていきましょう。
貴社オリジナルの業種・業態に合わせた「S級店長度 診断シート」の作成に向けても、もちろんご相談・アドバイスをさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
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